平成27年11月15日
東京恵比寿ロータリークラブ
社会奉仕委員会

イントロダクション
東京恵比寿ロータリークラブ主催の東日本大震災復興支援プロジェクトは本年で4年を迎えました。 あの日から5年が過ぎるなか、それぞれの地域やさまざまな産業で復興は続いています。大人たちは目標を持ち前へ進んでいます。
では、あのときの幼子たちはどうでしょうか。慌ただしい復興の中で、ややもすると忘れられがちな、子どもたちにとってその時々の成長に欠かせない何か。それは足りているのでしょうか。
私たちは、おなじみの仙台ロータリークラブにご協力をいただき、子どもたちにとって必要では?と感じたコトを届けに東松島市へと向かいました。

ロータリアンの矜持に杯をあげる~懇親会~
3日夕刻、仙台市内で仙台ロータリークラブ主催の懇親会を開催していただきました。鈴木会長より仙台RCの皆さまに、この度のプロジェクトにご協力いただき、細部の調整のご尽力により今日のこの日を迎えられたことへの謝辞を、挨拶の言葉とさせていただきました。仙台RCの伊藤会長は、「ロータリアン同士として、ともに復興に携わることの意義も強く感じます」との感想をいただきました。また、同クラブ大山社会奉仕委員長は、「復興事業の多くが5年を一区切りとしているなかで、今年もこのプロジェクトを継続していただけたことがとても有り難く、感謝しております」とのコメントから、これからまだ続く復興に向けてどのような支援を続けていくことが大切なのか、また、支援を継続していくことの重要性を一同痛感致しました。ロータリアン同士、暮らす場所は違えども、思いは同じく、事の本質を理解し合うことに時間はかかりませんでした。仙台発祥の牛タンに文字通り「舌づつみ」を打ちながら…

 

教育現場の思い

4日、7時過ぎにバスは仙台を経ち東松島市立鳴瀬未来中学校へ。現地にて高橋校長、市教育委員会仲上学校教育課長に、迎えていただきました。「復興が進むなかで、学校内や子ども同士では、心の格差が生まれています。それは、住まいが自宅か仮設住宅か、という違いからもたらされたり、体験する事柄の差により生まれてくるのです。今日の催しはスポーツと芸術のホンモノを経験できることから、子どもたちの心の面のケアに有効でたいへん嬉しいです」との校長の言葉に、見えない心というものへの配慮の難しさを感じました。

サッカー教室
白崎社会奉仕副委員長の司会により、サッカー教室がスタートしました。こどもたちへの指導でお世話になるソニー仙台FCへ贈呈品(サッカーゴール)目録が授与されました。鳴瀬桜華小学校大和校長は「学校で勉強をするということは、社会を作ったり、社会に役立つことを考えるための準備です」と子供たちに語りかけました。また、宮野森小学校相澤校長は「催しのタイトルであるドリームとは何かということをよく考えて、自分たちの夢を持ち、将来自分は他の人に何ができるか、感謝の気持ちを忘れないでください」と伝えたことが印象的でした。
ホイッスルが鳴り、コーチたちの指導のもと、中学生は校庭で、小学生は体育館でボールと真剣に戯れました。ペアでのストレッチ、シュート練習、ミニゲームなどをこなす40分弱の短い時間でしたが、腕を上げた子どもたちもいて楽しそうに活動していました。また、いつもの仲間といつもとは少し違うコミュニケーションができた、ということもあふれる笑顔の要因だったのかもしれません。

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ピアノコンサート
スポーツの次は芸術の幕が上がりました。徳江陽子会員のピアノコンサートです。木船社会奉仕委員長の司会により、鈴木会長、伊藤会長から三校への寄贈品目録の贈呈ののち、徳江会員の登場です。徳江さんは、恩師のレッスンに通うため夏季に同県を訪れていたそうです。楽譜を忘れても海水浴のための水着は忘れたことがなかったというエピソードや、地域との縁に子どもたちは興味津々でした。8曲の演目を軽妙な解説をはさみながら弾かれました。子どもたちの真剣な眼差し、顔を傾けながら聞き入る姿に全身全霊で何かを吸収しようとする姿勢が伝わってきました。

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演奏のお礼をご用意していただきました。それは中学生による歌の合唱プレゼントでした!「~時の流れに 生まれたものなら ひとり残らず 幸せになれるはず みんな生命を 燃やすんだ 星のように 蛍のように~」これは『COSMOS』という合唱曲です。

おわりに
中学生が感想を発表しました。
「ピアノ演奏はまるでコンサート会場に来ているようで感動しました。サッカー教室は、グラウンドで強い風が吹いて寒かったですが、楽しかったです。私たちは、ひとりではなく、支えられている、ということがわかりました」
合唱の歌の歌詞の通りであってほしいと、願わずにいられない一日でした。(社会奉仕委員 古屋公啓)